透ける素材の夏着物を着た女性の姿は絵画に登場し、「涼やかだ」と言われてきました。
確かに、夏の陽射しの下でも日傘をさして着物で歩いている方を見かけると「わあ、涼しげで素敵!」とその姿にとても憧れがありました。
でも、実際に真夏に着物姿で太陽の下を歩けば…やはりたくさん汗をかきます。
真夏はタンクトップを着ていても暑いので仕方がないといえば仕方がないのですが、
やはり夏着物のすばらしい素材感はこの時期にしか着ることができないので「暑いけど着たい!」と袖を通しています。
そのあとのお手入れ方法ですが、私自身は自分で洗える素材の着物を選んで汗をかいても自分で手入れをできるようにしています。
そこで、今回は着た後のお手入れや気軽に洗える素材についてご紹介したいと思います。
洗える着物の素材と洗濯方法
>脱いですぐのお手入れは?
「着用後に汗をかいた着物はどうしたら?」とよく聞かれます。脱いだ後は着物も帯も、数時間ほど陰干しして湿気を飛ばします。
毎回洗う必要はありませんが、汗が気になるときは自分で洗濯をしたりお手入れ(クリーニング)に出すことをお勧めします。
>自分で洗濯できる着物の素材は?
夏は汗をかくものと考えると、年々暑さ厳しくなる中、ご自宅で洗える素材の着物が人気です。
洗えるかどうかは着物の素材によるのですが、
木綿
麻
ポリエステル
は、お家でも洗うことができます。
>自分で洗濯するのが向かない着物は?
一方、素材が絹の場合はお家で洗わないほうが安全です。
縮んでしまったり、生地がゴワゴワしてしまったり、生地のスレ(傷)が生じたりすることがあるためです。クリーニング店に出されることをお勧めします。
また、草木染のものなどは染料が弱いためあまりご自宅でのお洗濯はお勧めしません。水洗いを繰り返すとせっかく染めた色が薄くなっていってしまうことがありますのでご注意ください。
>どうやって洗濯するの?
ご自分で洗濯する場合に気を付けるポイントは、着物は単体で(1枚ずつ)洗いましょう。
複数枚同時に洗濯すると、色うつりにつながることがあります。
丁寧に洗う方は手洗い(押し洗い)されますが、私は洗濯機を利用することが多いです。
洗濯機で洗う場合は以下のようにお手入れしましょう。
たたんで洗濯用ネットに入れる
中性洗剤を使い、ドライコースでやさしく洗う
しわを伸ばして干す
①着物をたたんで洗濯用ネットに入れる
洗濯ネットも、着物用のものが最近市販されています。

画像左の着物用洗濯ネットは着物を伸ばしたままネットにいれ、コンパクトに畳んで洗濯機に入れることができます。
私は今まで画像右のネットのような100円均一の大きなサイズの洗濯ネットに畳んで入れて洗っていましたが、それでも問題なくきれいに洗えていました。
同じく100円均一で買えるズボン用洗濯ネットでも大丈夫!というお声も伺いました。
着物が中でぐちゃぐちゃにならなければ、どれでも大丈夫だと思います。
汚れが目立つ衿元や袖口(手首が当たる部分)などは、先に手もみなどをして予洗い(よあらい)しておくとばっちりですね。

②中性洗剤を使い、ドライコースでやさしく洗う
ネットに入れるとこんな感じになります。
このまま、洗濯機にいれ、中性洗剤ドライコースでやさしく洗います。
脱水は軽く短時間で行いましょう。

②しわを伸ばして干す
洗った後は軽く脱水し、湿っている状態のままハンガーにかけます。かける場所がある場合は、干し竿などに通してしまうのも良いですね。
直射日光の当たらない、風通しの良い日陰の場所に干しましょう。
しわが目立つ部分は、手でぱんぱんとたたいて伸ばしておきます。

元からしわのある麻の生地は、しわをのばさなくても自然乾燥でOKです。
ポリエステルや木綿でのつるっとした生地は、しわが目立つと思うところには軽くアイロンをあててもOK!乾いたら、畳んで次回の着用までしまっておきましょう。汗も汚れも洗い流せて、すっきりと着られますね。
こんな時はクリーニング店へ
お気に入りの着物
自分で洗えるもの洗えないものにかかわらず、翌年も安心して着たい大切な着物があれば、シーズンが終わりにクリーニングしておくと、長期間収納している間に出てくるシミなどを予防できます。
コーヒーやワインケチャップなどの落ちにくい汚れが付いたとき
また、コーヒーやワイン、ケチャップなどの着色汚れは水だけでは落ちない場合があります。こちらも着物の素材にかかわらず早めにクリーニング屋さんへご相談されるのが良いと思います。
あまり皆さんにはないことかと思いますが、私はボールペンで着物に線を書いてしまったことがあり、クリーニング屋さんへ持っていった事があります(^^;
専用の薬剤で生地を傷めずきれいに落していただきました。
スッキリきれいにお手入れして、次に着るときも気持ちよく袖を通しましょう!
和つなぎラボ
小林
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