【きもの文様/9月の柄】
- 川島織物 和ラボ
- 8月12日
- 読了時間: 3分
更新日:9月10日
9月に映える着物の文様 – 秋の訪れをまとう楽しみ

8月も半ばに差し掛かる頃ですが、まだまだ酷暑予報の地域が多いですね…。涼しくなるのはいつになるのやら…と 先が思いやられます。
そんな暑い中ですが、少しずつ訪れる秋の季節感を「色」や「柄」で楽しむのも大きな魅力です。
9月は、夏の名残と秋の訪れが交差する時期。柄選び一つで、ぐっと季節感を演出できます。素材は涼しく軽やかに、色や柄では季節を先取りしておしゃれを楽しみましょう。
1. 菊(きく) – 秋を代表する吉祥文様
花びらが幾重にも重なり、丸くふんわりと広がる花。
菊は古くから長寿や邪気払いの象徴とされ、9月9日の「重陽の節句(菊の節句)」にも登場します。秋の代表花であり、秋色の着物や帯に合わせやすい柄で様々にデザインされています。
桜と共に日本の花として、季節を問わず文様化して使われることも多くあります。

2. 桔梗(ききょう) – 気品漂う秋の七草
五角形の星のような花形。
桔梗は「誠実・気品」の象徴。秋の七草の一つで、平安時代から愛されてきました。
涼しげな青紫の花色が、夏から秋への移ろいを感じさせます。

3. 萩(はぎ) – 風に揺れる秋の風情
小さな赤紫や白の花が細い枝先にたくさん咲く、万葉集でも多く詠まれる秋の花。
控えめで可憐な印象です。秋の七草の筆頭で、お月見の風景にもよく登場します。

4. 月・兎 – お月見の物語をまとう
丸い満月や、その中で餅をつく兎の姿。
中秋の名月を愛でる文化から生まれた柄で、兎は豊穣や繁栄の象徴でもあります。
お月見は9月の風物詩でもあります。着物に取り入れると季節感が一気に高まりますね。

5. 季節の橋渡し – 夏の名残も楽しむ
9月前半は、朝顔や撫子などの花柄を夏の名残に単衣や薄物で楽しむのもおすすめ。後半になるにつれて、色合いを秋色(えんじ・こげ茶・からし色)に移していくと、自然な季節感が出ます。
難しく考え過ぎずに楽しみましょう!
柄選びに正解・不正解はなし!
季節の柄を知っていると選びやすくなる…ということだけなので、難しく考え過ぎなくて大丈夫です。
先取りもOK
着物の世界では、実際の季節より半歩早く秋の柄を取り入れるとおしゃれ…と言われています。が あまりとらわれ過ぎず、好きな柄を身にまとえるのは楽しいものです。
小物から挑戦
帯留や半衿など、小さな面積から季節の柄を楽しむと気軽です。
9月は、夏の軽やかさと秋の落ち着きを両方楽しめる時期。季節の文様をさりげなく取り入れて、秋の訪れを感じてみませんか?
また「10月の文様」の紅葉や銀杏など、深まる秋の柄をお届けしますのでお楽しみに。
和つなぎラボ
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