今の時期に着る着物
この季節に着る着物は、“袷(あわせ)” という、着物全体に裏地がついて二重になっている着物を着ます。着物の生地が一枚だけだと寒いので、裏地がついた仕立て方です。
袖口やすそ周りは着物の表地とコーディネートした色の生地を付け、背中から腰にかけての見えない部分には白い裏地を付けています。
着物と関係のあるお名前『四月一日さん』
江戸時代などは、さらにこの裏地と表地との間に綿を入れるなどをして暖を取っていました。
旧暦の四月一日には着物をほどき、その綿をとりだしていたので、“四月一日”と書いて“わたぬき”と読む苗字もあるくらいです。
ちなみに…写真のように、夏の前後や真夏には裏地のない”単衣(ひとえ)”や、生地に透け感のあるものを着ます。
コーディネートの考え方
色味を取り入れてみる
文様だけでなく、色の組み合わせでも秋や冬を感じることができます。
ワインレッドやヒイラギの葉のような深い緑、紅葉の赤や濃い茶色などのこっくりとした深い色合いは温かみを感じますよね。
防寒も大切
視覚からの温かみとともに、体感でもしっかり暖かくなりたいものですが、最近は着物用インナーも機能性繊維を使った “あったかグッズ” がたくさん出ています。
着物の時って首筋が寒そう、との声をよく耳にしますが、ショールやスヌードなどをお使いいただくと首回りも暖かく過ごせます。
手元はロング手袋などで、ちょっと優雅な雰囲気でいかがでしょう。
足元はアザラシの毛皮を使った草履や、フェイクファーのカバーがついたもこもこ草履などもかわいく暖かく、冬のおすすめです。
着物の上に着るもの
着物の上に着るものとしては羽織やコートがあります。
着物+羽織の組み合わせは「桜の咲くころから紅葉のころまで」と一般的には言われますが、羽織はカーディガンと同じなのでその上にコートを重ねて着ることもできます。
着物用コートは着物と同じような生地で作ることが多いのですが、防寒用コートはウールなどの素材の物が多く、最近は薄手のダウン素材などの物もあります。
形はバリエーションもたくさんあり、和装用だけでなく洋服にも着られるタイプなどは兼用で使えるのでおすすめです。
全体的に、洋服より着物は重ねて着る部分も多いので、実は結構暖かいんですよ~(^^)
左:羽織 右:コート
また、羽織はおしゃれ着の要素も多いので、防寒だけでなくコーディネートアイテムの一つとして着る方も多くなっています。
防寒しつつ、おしゃれもしっかり楽しみたいですね!
和つなぎラボ
小林
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