
入学式、卒業式には母としての付き添い着は何がおすすめ?
前回のブログでは、入学式・卒業式におすすめの着物をご紹介しました。
今回は、その着物に合わせる 帯 について詳しくご紹介します!
◆おすすめの帯の種類
前回ご紹介した、式典にふさわしい着物の種類は…
◆訪問着
◆付け下げ
◆色無地
◆江戸小紋
では、その着物に合わせる帯は?というと
◆袋帯(二重太鼓)
◆名古屋帯(一重太鼓 / 京袋帯も含む)
袋帯と名古屋帯についての詳しい解説(歴史や形状など)は、ぜひこちらをご覧ください!
◆袋帯はどんなものがおすすめ?
袋帯は、お太鼓(背中にくる部分)が二重になる帯です。織の帯と染の帯があり、フォーマルなシーン向けのものだけでなく、気軽におしゃれを楽しむ洒落袋帯というものもあります。
今回は、お子様の入学式・卒業式といった儀式に向いている礼装用の袋帯をおすすめします。
特に、古典柄や吉祥柄(おめでたい意味を持つ柄)の帯を選ぶと、より格もある上品な印象になります。

◆名古屋帯はどんなものがおすすめ?
名古屋帯はお太鼓が一重になる帯です。袋帯と同じく、織の帯・染の帯があり、礼装向きの柄やおしゃれ向きの柄があります。
また、「京袋帯」と呼ばれる帯は 形状が袋帯に似ていますが、一重太鼓として結ぶため、名古屋帯の仲間になります。
入学式や卒業式には、古典柄や縁起の良い柄が入った礼装向きの名古屋帯がおすすめです。

◆織の帯と染の帯の違いは?
帯にも、着物と同じように「織」と「染」があります。簡単に説明すると以下のような違いがあります。
▶織の帯…白い生糸を染め、その糸を使って織りあげた帯
代表的な帯:西陣織(京都)、博多織(福岡)、桐生織(群馬)など
▶染の帯…白い布で出来た帯に、後から染を施したもの
代表的な帯:塩瀬やちりめん、紬の染帯など
というものです。
帯の場合は、織物の帯のほうが格が高い扱いとなりますので今回は織の帯がおすすめです。また金銀の糸が使われている帯はフォーマル度が高い帯になります。

◆古典柄や吉祥文様って?
古典柄や吉祥文様とは、長い歴史の中で格式を持ち、縁起の良い意味を込められた柄のことを指します。
代表的なものとしては、
▶吉祥文様(縁起が良い柄)
・雲/瑞雲…おめでたいことが現れる前兆
・鳳凰…平和と幸福の象徴、不老長寿
・鶴…長寿、吉兆
・宝尽くし…富や幸福を招く
・七宝…円満、調和
▶有職文様(平安時代の貴族文化に由来する柄)
・立涌…水が蒸発する様子を文様化したもの
・青海波…繰り返す波をモチーフにしたもの
・唐草…長寿、繁栄の象徴
▶植物文様(植物の生命力や華やかさを表現した柄)
・梅…寒さに耐える強さ
・菊…高貴、長寿
・藤…優雅、品格
・唐草…生命力、子孫繁栄
こうした文様を組み合わせた帯は、格式がありながらも華やかさがあります。
◆コーディネートのポイント
・袋帯 は「訪問着・付け下げ・色無地・江戸小紋」に合わせられます。
・名古屋帯 は「付け下げ・色無地・江戸小紋」におすすめ。
綴織の名古屋帯で礼装向きの柄なら「訪問着」とも相性◎
また、春の式典ということもあり、帯は明るめの色を選ぶと、全体が華やかで優しい印象になります。
帯揚げや帯締めは、着物や帯の中に使われている色と合わせると、統一感のある上品なコーディネートに仕上がります。
お祝いの気持ちを大切に
「お母さまの装い」は、時代とともに少しずつ変化しています。
そのため、「昔はこうだった」「この装いはどうなの?」と気にされる方もいるかもしれません。地域性による違いもあると思います。
しかし、衣類は少しずつ変化をするもので、最も大切なのはその時のお慶び事を祝う想いではないかな…と思っています。
入学式・卒業式という特別な日に、お母さまも素敵な装いでお祝いし、思い出に残る一日をお過ごしください!
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