お悩み解決!おはしょりをまっすぐに整えるコツ
- 川島織物 和ラボ
- 6月13日
- 読了時間: 3分
更新日:6月18日

「おはしょりって斜めでもいいの?まっすぐじゃないとダメですか?」
着方レッスンや日々のやりとりの中で、よくいただくご質問です。
結論から申し上げますと――斜めでも、まっすぐでも、どちらでも大丈夫です!
ただし…時代や流行によって、着こなしの「きれい」とされる感覚には変化があります。
今の主流は、おはしょりを“まっすぐ”整えるスタイルが素敵に見えるとされています。
では、どうしておはしょりが斜めになってしまうのでしょうか?今回は、その理由とまっすぐに整えるためのコツの一つをご紹介します。
◆ おはしょりが斜めになる理由
着物はほとんどが直線で仕立てられており、それを立体的に体に沿わせながら着ていきます。裾合わせのときには、裾すぼまりの形を作るために裾を持ち上げて丈を調整しますよね。この「裾を持ち上げた角度」が、そのままおはしょりの斜めラインに影響してくるのです。
特に、上前(体の左側から右側にかぶさる着物の身頃)の衽(おくみ)を持ち上げることで、左側のおはしょりが長くなり、自然と斜めになってしまうことが多いのです。
◆ おはしょりをまっすぐにするには?
おはしょりをまっすぐに整えるためのポイントのひとつが、腰ひもの位置と締め方です。
以前、別の記事でおはしょり自体の整え方をご紹介しましたが、今回は、**腰ひもを少し工夫してまっすぐなおはしょりを作る方法**をご紹介します。
◆ 和つなぎラボ流・腰ひもの結び方
和つなぎラボのレッスンでは、腰ひもはまずはこのように締めていただくようにしています。

「腰骨のでっぱりのすぐ上 → おへその下 → 腰骨のでっぱりのすぐ上」 前から見ると、少し“Uの字”を描くような、ほぼ水平なラインになります
この位置での締め方は、ご自身が心地よい力加減をつかむ練習にも最適です。
ただし、おくみ部分を持ち上げてすそすぼまりを作ると、上前(体の右側)と左脇では丈に差が出るため、結果として裾の斜め=おはしょりが斜め(左が長く)となります。

◆ 左が長いおはしょり、どう整える?
今回の整え方のコツは、腰ひもの位置を“少し斜め”に変える方法です。
たとえば、左側の腰ひもを少し高めに、右側を少し低めに締めてみるだけでも、おはしょりがまっすぐ整いやすくなります。
最初は「左右で腰紐の高さが違うと落ち着かない…💦」と感じるかもしれませんが、それも慣れです!ほんの少しの工夫で、おはしょりのラインが整う、一つのコツです。。

腰紐をななめにして おはしょりを下げると…▼
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◆ …とはいえ、すべてが完璧じゃなくて大丈夫!
おはしょりが多少斜めでも、着物姿全体の美しさは変わりません。「整える」という意識を持つことは大切ですが、出来上がりの形になるまでの手法は様々です。
大切なのは、「自分で着てみよう」という気持ちです。時代や年代によって、好みも流行も変わるもの。いきなり完璧を目指すより、少しずつコツをつかんでいけば、心地よく着物と仲良くなることができると思っています。ご自身に合った方法で、とらわれ過ぎずに着物を楽しみましょう!
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